刺し子風のランチマット「変わり米刺しのマルチクロス」の作り方

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ランチマットや布巾としても活躍する刺し子風のマルチクロス

幾何学模様などを布に刺しゅうして縫い込んでいく刺し子。日本では着衣の補強や防寒のために生まれたと言われる手仕事ですが、今では手芸として幅広く親しまれています。専用の刺し子針や刺し子用の糸を使って作るものですが、実はクロスステッチ針と25番刺しゅう糸を使って刺し子風に仕上げることもできます。

 

刺し子の柄いろいろ

今回は、変わり米刺しのマルチクロスの作り方を紹介します。変わり米刺しというのは、糸を「米」の文字のように刺していく方法で、刺し子の刺し方にはほかにもいろいろなものがあります。伝統的な文様としては六角形を基本とした「麻の葉」があります。形が麻の葉に似ていることからこのように呼ばれ、麻はすくすくと丈夫に育つ植物なので、昔から子どもの産着に使われてきた柄なのだそう。また、同じ大きさの円を重ねてできる文様「七宝」をつなげてできる「七宝つなぎ」も刺し子によく使われる柄です。円形は円満や平和という意味を表し、七宝つなぎは縁起の良い柄でもあります。

柄によって刺し糸の色を変えてみたり、木綿だけでなく麻布など布の種類を変えても雰囲気の違う刺し子風の作品ができて楽しいです。無地の布の場合は線を引いてから刺しますが、チェック柄を生かして線を引かずに刺すこともできます。初心者なら、まずは刺し子風のランチマットを作ってみるのがおすすめ。木綿地に簡単な文様を刺していくだけで、世界でひとつだけのランチマットが完成しますよ。

 

刺し子風布小物「変わり米刺しのマルチクロス」の作り方

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【材料・道具】
<ターコイズ>
・木綿地(ターコイズ) 42cm×42cm
・25番刺しゅう糸 薄緑、クリーム色
・ミシン糸(木綿地と同色)

<チェック>
・綿麻地(ベージュのギンガムチェック) 45cm×45cm
※作品はチェック柄の1マスが1.4cm弱の四方のもの。同じくらいのサイズのものを使うとよい。
・25番刺しゅう糸 赤、クリーム色
・ミシン糸(生成り)

<共通>
アイロン、アイロン台

 

【作り方】
※単位はcm。
<チェック>
<ターコイズ>の作り方を参照し、線は布に引かず、目測で刺す。刺しゅう糸は、直線と変わり米刺しの十字の部分は赤、変わり米刺しのまわりの部分はクリーム色を使う。3で三つ折りにするときに、チェックの柄に沿って折る。

<ターコイズ>
1.下図を参照し、布にペン型チャコで基準線を引く。
さらにAとBの線を引き、基準線に3cm間隔で(AとBの部分は除く)線を引く。
※布目の方向は縦横自由。
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2.①薄緑の刺しゅう糸で、直線と変わり米刺しの十字の部分を刺す。
②クリーム色の刺しゅう糸で変わり米刺しのまわりの部分を刺す。図案は、ひとつを刺し終わったら、布の裏側で、薄緑の刺しゅう糸にからげ(写真)、隣の図案に進む。

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※写真では、わかりやすいように、基準線の直線と変わり米刺しの十字部分を水色で、変わり米刺しのまわりの部分をピンクで、白い布に刺している。

 

3.2 の布の四辺を1.5cm幅の三つ折りにし、角は額縁縫い(下記参照)にして、周囲をぐるりと1周縫う。
※縫い始めと縫い終わりは、縫い目を重ねる。

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 額縁縫い
①四辺を1.5cm幅の三つ折りにし、斜め(青いラインのとおり)に折り筋をつける。

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②①を開いて、折り筋(緑のライン)と平行に、から1.7cmの位置を斜めにカットする。

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③図のように、の折り筋で折ってから①の斜めの折り筋で折り、②の縁の-に沿って縫う。角の縫い代は割る。
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の折り筋で裏側に折る。

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この作品は、2013年3月号『はんど&はあと』P66、70の記事を編集/加筆したものです。転載、記事のコピーはご遠慮ください。
作品制作:せばたやすこhttp://nelie-rubina.com

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