【favori】ストーリーのあるバッグ作り 大西淳子さんの世界〈前編〉

_MG_3119

favoriblog

洗練された大人の女性仕様の作品が『favori』でも毎回好評を博している大西淳子さん。いずれもそっと置いてあるだけで空間がぱっと華やぐ、ただならぬ存在感を放っています。今回は大西さんにバッグ作りについて話を聞きました。緻密でかつスタイリッシュな作品はどのように作られているのでしょうか。2回に渡ってご紹介します。

 

冬の装いに華やぎを。ウールパッチワークのバッグ

色とりどりのウール生地の組み合わせが楽しい、がま口形のバッグ。ふわふわのファーの持ち手が寒い季節のおしゃれにぴったりです。

「毎回テーマを設けてバッグを作っています。今回は冬のシックな色味の服にもポイントとなるもの、華やかな気分になれるものをと思いました。お出かけ用なので、サイズも小ぶりです」

_MG_3099_4

 

◎色と質感をメリハリをつけてミックス

素材は冬を感じるものをセレクト。輸入品のウール、カラフルなニット、ヴィンテージのリボンなど、さまざまな色と質感の生地をミックスしています。

「実はソックスも使っているんです。とてもかわいい柄だったので、とりあえず買ったおいたものです。世の中にあるすべての布が材料だと思っています。生地屋さんで売っている布だけではなく、雑貨や洋服などもよく使いますね」

_MG_3108_2

「色は冬らしいマゼンタ、オレンジがポイントです。マルチカラーにしたくて、反対色のグリーンも入れています」

正面にピンクとオレンジ、ブルーグリーンのチェック柄を大きめに配置し、両側はグリーンをベースにしたミックスツイードを合わせました。側面と底にはぐるりと大胆なアニマル柄のフェイクファーを。温かみのあるテクスチャでまとめています。

チェック柄の上部には、オレンジ色のビーズがちょこん、ちょこんとリズミカルに並び、ビビッドな光を添えています。パスカードなどをさっと取り出せる、便利なサイドポケットもうれしい。革の引き手はチェック柄と合わせたピンク色で、マットな質感がアクセントになっています。

反対の面も見てみましょう。

_MG_3105_1

こちらはさらに細かく布をはぎ合わせ、前面とは異なった雰囲気のパッチワークが楽しめます。

隣同士に並ぶ布は、色や質感の異なるものをメリハリをつけて配置しています。それでも全体的にまとまりがあるのは、マゼンタやオレンジ、グリーンなど共通の色をどこかに含んでいることと、布の間をビーズやリボン、刺繡糸などでつなぐことでなじませているから。細やかな手仕事が生み出す、幾重にも重なった調和がそこにはあります。
 

◎アクセサリーのような持ち手

「持ち手にはリボンを通そうと最初思っていたのですが、ラビットファーのテープを通したら、アクセサリーをつけているみたいになりました」
大西さんがさっとバッグを手に持つと、まるで手首にファーのブレスレットを巻きつけているみたいに。

_MG_3106_2_1
 

◎口金周りはフリルで愛らしく

「口金周りはこげ茶の生地にギャザーを寄せて、立ち上がるように縫いつけました。こうすることで、口金の間のすきまも埋まりますし、ギャザーのフリルがかわいい。バッグ本体には厚みのあるウールをメインに使いましたが、ここだけはギャザーをギュッと寄せたいので、薄い生地にしました」

こげ茶とニュアンスカラーの模様が、アンティークゴールドの口金ともマッチしています。内布はぱっと目を引くオリーブグリーン。大きなブラウンの水玉柄はシンプルで抜け感があります。表地とのコントラストに、バッグを開くたびに楽しくなりますね。

_MG_3111
 

◎つい人に見せたくなる、人気のミニポーチ

持ち手につけている筒型の小さなポーチも気になります。

_MG_3114

「このミニポーチは小銭や、リップ、印鑑などを入れることができます。通常ポーチはバッグの中に入っていて、あまり人目に触れることがないですが、これだとバッグにつけてアクセサリーのように使えて嬉しいと好評です」

「お財布やポーチはとても人気がありますね。派手な色の服には抵抗がある方も、小物は華やかなものが楽しいとおっしゃいます」

さまざまなバリエーションのあるミニポーチやお財布。布合わせやビーズ使いにも大西さんワールドがしっかり宿っています。

_MG_3117

 

インスピーレーションは小説から。ポンポンとボタンのバッグ

「このポンポンとボタンのバッグも、冬のコート姿に映える、大人の女性が持つバッグがテーマです。ただかわいいだけではない感じに仕上げました。素材はコットンやウールの他に、グログラン、ビニールレザー、ラメやつやのある少し変わった生地を使って、できるだけ細かくはぎ合わせています」

マットな質感の生地の間に、ラメやビニールレザーのつやが絶妙なバランスで入っています。無地にチェックやツイード、水玉柄の組み合わせも華やか。そして何より楽しいのはランダムに散りばめられた、様々な形状のボタンと毛糸のポンポン。

_MG_3119_1

「ニューヨークの毛糸屋さんを舞台にした小説からイメージして作ったんです。毎週金曜日に集まってニットを編んでいるクラブがあって、そこに集まる人たちのお話でした。本からインスピレーションを得ることが結構多いですね。文字からイメージが勝手に膨らむんです」

なるほど、さまざまな布やボタンのダイナミックな取り合わせがニューヨークをイメージさせます。

「ボタンはアメリカっぽいポップな色のものを。大きさや形もバリエーションをつけて、はじけた感じにしています。毛糸のポンポンはデッドストックのウールの刺繡糸で作ったものです。刺繡糸だから色の種類がたくさんありました」

_MG_3126_2

ボタンは半透明だったり、マットだったり質感もいろいろ。縫いつける糸の色もアクセントになります。ポンポンも単色のものと、色をミックスしたものを取り混ぜて。不思議にニューヨークの編み物クラブに集う、種々多様な人たちにも見えてきます。

反対の面も布やボタンの組み合わせを変えています。

_MG_3127
 

◎持ち手とバッグ本体の一体感をどう出すか

「今回はこの赤いプラスチックの持ち手を使おうと決めていたんですが、プラスチックの面積が少し多いので、カラーレースの糸で上部を編みくるんでみました。最初は紫一色で編んだのだけど、それだとバッグ本体と分断した感じになってしまって。バッグにいろんな色が入っているので、持ち手もマルチカラーにしたほうが全体のバランスが取れるなと、結局編み直しました。完成してからも作り直すことが結構あるんですよ」

_MG_3122-2

 
「持ち手の横に穴が空いていて、ここはどうしようかと思ったのですが、ポンポンに使ったウールの刺繍糸でタッセルを作りました。ここも色をミックスして、バッグの布の色を繰り返すことで統一感がでました」

_MG_3122
 

◎作品のテーマに近づけるために、一旦寝かせて少しずつ改良する

一見どうしようかと悩む難しいポイントも、あっという名案で乗り切り、より素晴らしい仕上がりに変えてしまう。どうしたらそういうことが可能なのでしょうか。

「ある程度仕上げてから、寝かす時間を作るんです。手に持ってみたり、部屋に掛けて眺めたりして、何かが違うと思ったら手を加えます。なかなかいい案が浮かばないときは、一旦バッグから離れて、他のものを見たりして自分の頭を冷静にします。そうするとふと、ここをこうしたらどうだろう、あれをつけたらもっとかわいくならないかな、とアイディアが浮かぶんです。いくつかのバッグを並行して作ることもあるのですが、他のバッグを作っているときに『このアイディアを、あそこに使ったらどうかな』をひらめくこともあります。そうやってちょっとずつ変更して、作品のテーマに近づけて行く感じですね。ブラッシュアップしてより良くして行きたいんです」

 
後編ではアンティークビーズや、ムートン調生地など、素材にもこだわった作品をご紹介します。どうぞお楽しみに。

 
◎大西淳子 手芸作家。1997年から「ニードルワークマーブル」としてハンドメイド製品の企画・製作を開始。年に2回の新作発表の作品展を軸に、手芸雑誌への作品提案や講習会などを手がけている。http://www.needleworkmarble.jp

 
 
『favori』2月号のキットは大西さんデザインのゴブラン織りの長財布です。クラシカルなゴブラン織りの生地にビーズやスパングルを刺繡して、華やかな長財布を作ってみませんか。キットの詳細はこちらから。

0011


favori [ファヴォリ]

日常の小さなときめきや、お気に入りを探す雑誌『favori』です。

concept_image

◎キットお届け内容

_B8A7235

_B8A7244

ゴブラン生地 …幅47×長さ30cm/グログラン生地(ピンク)…幅35×長さ36cm/綿ブロード(ミントグリーン)…幅30×長さ130cm/文鎮口金(アンティークゴールド)…幅19cm/ファスナー(ピンク)…13cm/芯地(薄手)…30×40cm/芯地(厚手)…24×31cm/プラ芯地…17×24cm/ビーズ…1式(13種類)

◎出来上がりサイズ
長財布:幅約20.5cm×縦11cm×厚さ4cm

★詳細、ご購入はこちらから→ favori ファヴォリ website

 

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

Tag:
ページ上部へ戻る