【favori】素材の良さを最大限に引きだす細やかな手仕事 大西淳子さんの世界〈後編〉

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前編に引き続き、手芸作家の大西淳子さんにバッグ作りのお話を聞きます。今回は素材をどう生かすかなど、大西さん流のこだわりについて教えてもらいました。

はぎ合わせることで生まれる立体感。ムートン風のバッグ

はぎ合わせ部分のファーが目を引くエレガントなバッグ。前編でご紹介した「ウールパッチワークのバッグ」と同じがま口形ですが、こちらはシックなベージュトーンでまとめられ、全く異なる雰囲気に仕上がっています。

「この布は何年も持っていたもので、表がスエードっぽくて、裏が起毛になっているんです。でもバッグにすると、起毛の部分が見えなくなってしまう。ストールにするにはちょっと厚いし…。すごく気に入っている布なんだけど、どうしたらいいんだろうって。毎年取り出しては、いいアイディアが浮かばなくて、またしまう、というのを繰り返していました。
今年も懲りずに取り出したら、学生時代に流行っていたムートンのパッチワークのコートを思い出して、あんな風にすると裏も見せられる!と思いついたんです。あえて縫い代が外になるようにはぎ合わせたら、なかなかいいぞと」

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「ただ、全体をはぎ合わせてみたら、つぎはぎの感じが少しわざとらしかったんです。どうしたらしっくりなじむのかと、また悩みました。ふと、革ってどこかが切れていたり、切りっぱなしだったり不揃いな感じがあるな、と思いついて。それをイメージして、縫い代に切り込みを入れてみました。そうしたらいろいろな方向に毛の動きがでて、表情が生まれてきたんです」

言われないと気づかないような小さな切り込みが立体感を生み、バッグ全体がさらに生き生きとした表情に。小さな工夫を重ねて、作品が少しずつブラッシュアップされていきます。
 

◎大人の女性も楽しめる工夫が随所に

「持ち手は本物の革を使っています。遊び心の中にもやっぱり大人の女性に持っていただきたくて。片方で結んでいて二重になっているのですが、両端で結んで一重にすればもっと長く持つことができます。フレキシブルに使ってくれたらうれしいです」

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中はやさしいピンク色。まるでうさぎのような愛らしさです。
「バッグはね、中を開けたときの楽しみもありますよね」

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「柄もかわいいでしょう。プラチナゴールドみたいな品のある色で。本当に気に入っていたんですが、なかなか形にできなくて。私もいろいろな素材を持っているけど『すごい前からいるよね、あなた』みたいな(笑)。やっと形にできて、ああ良かったと思っています」

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アンティークとモダンの絶妙なバランス。ヴィクトリアンビーズモチーフのバッグ

繊細なビーズとレースを一面にコラージュしたボストンバッグ。黒い透かし模様の間から、赤とグリーンをベースにしたファブリックがのぞいている様が印象的です。

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メインに据えたのは、優雅なアールを描くヴィクトリア朝時代のビーズです。

「このヴィクトリアンビーズは昔ドレスに使われていたもので、モチーフの後ろにシルクシフォンの端切れがついているんです。ドレスの生地がどんどん劣化していっても、ビーズモチーフだけは残ったんですね。1800年代のものだと思うのですが、やはり手仕事がすばらしく本当に美しい。どうやって作ったのか想像がつかないくらいです。まずはこのビーズを最初に縫いつけ、テイストの似たレース生地やビーズを周りに足しながら、はぎ合わせていきました」

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◎持ち手も黒い革で引き締め、バッグ本体との統一感を

バッグの持ち手には、シックな黒い革紐が縦一直線にあしらわれています。ビーズの繊細なコラージュに対して、マットでクールな革紐のコントラストがかっこいい。

「最初は持ち手に革紐がなかったんですが、なんだかバッグから浮いているような感じがして。そうだ、ここに黒い革紐をつけたら本体の黒いビーズモチーフとつながって、バランスがとれるんじゃないかと思いました」

ファスナーにつけた赤い革の引き手もアクセントに。

「ファスナーには引き手を必ずつけるようにしています。デザインの一部でもあるし、やっぱり開閉しやすいんですよね。今回は少し長めにした方が引きやすいので、大きめのサイズにしました。かばんの大きさや用途によって、長さも変えています」

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持ち手の他にストラップもついていて、肩からかけることもできます。

「このストラップは長さも調整できて、肩が痛くならないように厚めにしてクッションを効かせています。みなさんが実際に使いやすいように、できる限りのことはしたいなと思って作っています」

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◎バッグは横から見た姿も大事

「バッグの横って案外目につくのよね」
側面にはグリーンのコットン生地と革をはぎ合わせたサイドポケットがついています。黒いレースやビーズがあしらわれ、シックでモダンなデザインです。

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「全体がクラッシックな感じなので、ポケット部分はマットな生地を使いました。グリーンのコットンテープはフランスのデッドストックで、こういうシンプルな生地を使うと抜け感がでますよね。あまり重厚過ぎると持ちづらくなるので、布合わせでバランスをとって、ちょっとカジュアルに持つのもいいかなと思います」

ポケットの口部分はゴムになっていて、出し入れがしやすい作りになっています。素材やデザインが凝っているだけではなく、細やかな気配りが行き届いた機能的にもすぐれたバッグです。これは大西さんの作品すべてに共通している特徴と言えるでしょう。そこには使っている方に長く愛用して楽しんで欲しいという強い思いがあります。

 

大西さんデザインの長財布キット

『favori』2月号のキットは大西淳子さんのデザインの長財布です。美しい花模様のゴブラン織りの生地に、色とりどりのビーズ刺繡を施してから、お財布に仕立てます。

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内側ははっとするようなピンクとミントグリーンの組み合わせ。カードも12枚収まる、大西さんならではの機能的なお財布です。

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キットの詳細はこちらでご案内しています。

◎大西淳子 手芸作家。1997年から「ニードルワークマーブル」としてハンドメイド製品の企画・製作を開始。年に2回の新作発表の作品展を軸に、手芸雑誌への作品提案や講習会などを手がけている。http://www.needleworkmarble.jp

 
★ストーリーのあるバッグ作り 大西淳子さんの世界〈前編〉


favori [ファヴォリ]

日常の小さなときめきや、お気に入りを探す雑誌『favori』です。

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◎キットお届け内容

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ゴブラン生地 …幅47×長さ30cm/グログラン生地(ピンク)…幅35×長さ36cm/綿ブロード(ミントグリーン)…幅30×長さ130cm/文鎮口金(アンティークゴールド)…幅19cm/ファスナー(ピンク)…13cm/芯地(薄手)…30×40cm/芯地(厚手)…24×31cm/プラ芯地…17×24cm/ビーズ…1式(13種類)

◎出来上がりサイズ
長財布:幅約20.5cm×縦11cm×厚さ4cm

★詳細、ご購入はこちらから→ favori ファヴォリ website

 

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