【favori】暖かい安心感で足元を包む、靴の木型から起こしたルームシューズ

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抜群のフィット感と完成度の高いフォルム。靴の木型からパターンを起こしたルームシューズ

『favori』10月号では、ツイードやベロアなど保温性の高い素材でのルームシューズ作りを提案しています。このルームシューズ、暖かいだけではなく、抜群のフィット感と完成度の高いフォルムが際立っています。その秘密は靴の木型を使用し、立体的にパターンを起こしているから。デザイン・制作を担当した坂内鏡子さんにお話を聞きました。

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〈足を暖かく包むツイードとウールのスリッポン〉
 

——こうやって木型を使って作るのですね!本当に靴のようです。

はい、靴の型から立体的にパーツを起こしているので、とても履き心地がいいんですよ。一般的なスリッパは左右の区別がない同じパターンから作っていますが、これは左右の足にそれぞれぴったりフィットします。

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〈靴の木型を使用してパーツを起こしている〉
 

——こちらの木型は先端部分に何か手を加えているんですか? 色が異なりますね。

木型はある程度、基本的な型があるのですが、靴作りをすると自分のオリジナルの木型が欲しくなるんです。これは先端にパテを塗り込んで、やすりで削っています。高さやカーブの感じなどを作り込んで、どんどん自分の好みの形に変えていきました。

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〈自分好みの形に作り込んだ木型〉
 

——どうやってパターンを起こしていくのですか?

まず木型に布をテーピングして当て、形にしていきます。

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鉛筆などで型を取って、周りをはさみでカットします。
こうやって立体裁断をしながら、型出しをしていくんです。

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型紙に起こし、実際に縫って試作を重ねながら作っていきます。
 
 

土踏まずがあることで、しっかり足についてくる安心感

——ルームシューズ作りを始めたきっかけは何ですか?

アパレルメーカーでパタンナーとして働いていたのですが、靴作りに興味があって「モゲワークショップ」に靴の作り方を学びに行っていました。
フリーになってからは、誰もが手軽に楽しめる手作りを提案したいと思い、それなら靴作りの立体裁断のテクニックで、ルームシューズを作ったらどうだろうと。立体裁断はパタンナーのテクニックでもあるし。
 

——それはおもしろい着眼点ですね。

はい、立体裁断のルームシューズを作っているところが見当たらなかったので、私やってみようかな、と思ったのが始まりですね。一般的なスリッパは、階段で脱げそうになったり、走りづらかったりしますが、ちゃんと土踏まずがあるものを作りたかった。
 

——土踏まずはどの辺りですか?

(指を指して)ここのくれているあたりですね。土踏まずがあることで人の足になじんで、安全に歩けるんです。

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〈土踏まずがあることで足になじむ〉
 

——安全というのは、今まであまり考えたことがありませんでした。

家族のため、もちろん自分のためにも、安全なのがいいですよね。階段を上り下りするときも足にちゃんとついてくるし、脱げそうにならない。
 

——底も厚みがしっかりありますね。

底には厚さ3mmのフェルトと、厚手の接着芯を使用しているので、クッションになって疲れにくいです。

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〈底の厚みもしっかり〉

底面の布は綾織りのデニムを使っています。足袋もそうなんですが、綾織りは斜めに織ってあるので滑りにくくて丈夫なんですよ。

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〈底面は斜めの綾織り地なので滑りにくい〉
 

——内布は何ですか?

足裏があたる底布はウールで、暖かく。足の甲を包むアッパーの布はパイル地で、気持ち良くはけるようにしました。

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〈下が裏に返した状態。アッパーの内布はこげ茶色のパイル地で〉
 

ぜひ、試しにはいてみてください。

——うわー、これは本当に靴のようですね。左足も右足も気持ち良くフィットして、歩いてもちゃんとついてくる。足と一体化して、はいていることを忘れそうです。

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〈ルームシューズと足が一体化した、最高の履き心地〉
 
 

自分で作るから愛おしい。洗濯して繕って、長く愛用したい。

——こちらのルームシューズはデザインもおしゃれですね。

ベロアを使ったバブーシュです。バブーシュはモロッコの履物で、ルームシューズとして愛用する方が多いですよね。かかと部分が倒れているので、かかとが少し高くなってはきやすいんです。ベロアは伸縮性があるから仕立てやすいし、やわらかくて、はいていて気持ちいい。内布にリバティプリントを使って、華やかな感じにしました。

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〈スタイリッシュなベロアのバブーシュ〉
 

——これはストラップが愛らしいですね。

コーデュロイ地のバレエシューズです。3タイプの中では一番靴に近いデザインですね。しっかり足を包んでくれるから、長くはいても疲れにくいですよ。

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〈コーデュロイのストラップつきバレエシューズ〉
 

——両方とも内布がかわいくて、置いてあるだけ素敵です。

脱いだときも、はく前もかわいくて嬉しいですよね。自分で作っているから愛おしくて、ずっと繕って使ってしまいます。洗濯もできるので、ぜひ長く愛用してくださいね。
 
 

作成時のコツはずれないように、合い印をしっかり合わせること

——作成時のアドバイスをいただけますか?

合い印をしっかり合わせることが大切ですね。立体裁断なので布がずれやすい。しつけ糸でかがってから縫うと、より安心ですよ。
あと、ミシンがない場合は手縫いでも作れます。細かい本返し縫いで縫っていけば大丈夫です。

——『favori』の読者のみなさんにメッセージをお願いします。

ご自分のために、ご家族や大切な人のためにぜひ作ってみてください!これからの季節、プレゼントにもぴったりですよね。誰かのために、暖かくて、その人を守ってくれるものを作るというのは、とても素敵なことだと思います。
 
 

◎坂内鏡子 パタンナーとしてアパレルメーカーに勤務時代「モゲワークショップ」で靴作りを学ぶ。ソーイングデザイナーとしてスミワークスを主宰。近著に『定番ソーイング これならできる! きほんの子ども服 パンツとワンピース』(高橋書店) http://www.summieworks.com/

作り方は『favori』10月号でご紹介しています。


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