チクチク刺すだけでこんなにかわいい!刺し子風布小物の基本の作り方

main

刺し子って?

刺し子とは、糸で布地に柄を刺しゅうして縫い込むことで、着衣の保温性を高めたり、補強のために生まれた手仕事です。伝統的な幾何学模様の「麻の葉」や「七宝つなぎ」のほか、さまざまな図案の刺し子作品に出合うことができます。青森津軽地方の「こぎん刺し」、青森南部地方の「菱刺し」、山形県庄内地方の「庄内刺し」が日本三大刺し子と言われているそうです。「こぎん刺し」の「こぎん」とは津軽の言葉で野良着という意味で、縦の織り目に対して奇数の目を数えて刺すのが特徴なのだとか。綿の栽培には適さない津軽地方では、麻の野良着を着ていましたが、麻布は目が粗く、津軽地方の寒さにはとても耐えられませんでした。そこで糸で布目を埋める刺しゅうをほどこして、防寒の工夫を凝らしたのがこの地方で刺し子が盛んに行われた理由だと言われています。
無地の木綿布のほか、柄布にワンポイントの刺し子をほどこしたりしてもかわいいですね。本来の刺し子は、専用の針と糸を用意しますが、クロスステッチ針と25番刺しゅう糸で簡単に刺し子風の小物を作ることができます。コースターやランチョンマットなど簡単なものからぜひチャレンジしてみてください。
ここでは、刺し子風布小物を作る時の基本を紹介します。

 

刺し子風布小物の作り方の基本を押さえよう!

【刺しゅう糸の準備】
刺し子は専用の刺し子糸を使いますが、作品は、25番刺しゅう糸を6本取り、または指定の本数で使用します。25番刺しゅう糸は、細い糸6本が、ゆるく合わされた束状の糸です。糸の束の端が少し出ているところを探し、糸端を持って、使いやすい長さ(60~80cm)、または指定の長さを引き出し、カットして使います。

 

【刺しゅう針】
針は、刺しゅう糸が6本通る針穴の大きさのクロスステッチ針を使います。布の織り糸や、刺しゅう糸を割って刺してしまうことがないように、針先が丸くなっているので、失敗が少なく作業できます(下記参照)。

 

【刺し方のポイント】
連続して長い距離を刺すときは、2~4目を続けて刺し、針を抜いて、刺し目の糸をしごきます。しごくときは、刺し目を利き手と反対の中指と親指ではさみ、刺し始めの方から進行方向に向かって、刺し目をなぞるように2、3回動かし、布と糸をなじませます。曲線部分は、しごきすぎると布がのびるので注意します。
※指定があるところは除く。

 

【刺すときの注意】
①布の織り糸を刺さない。
②刺しゅう糸を割らない。
※写真は①と②のNG例。
h3_38161

 

【刺し始めと刺し終わり】
ここでは、刺し始めは玉結び、刺し終わりは玉留めにしています。糸が短くなり、刺しにくくなってきた、玉留めをして糸端を切り、新たな糸に玉結びをして刺し始めてください。
※指定があるところは除く。

 

【使用する布】
刺し子専用の布もありますが、作品は、すべて織り目がやや粗め(クロスステッチ針が出し入れできる程)の麻布か、木綿布を使っています。
※刺しているうちに布端がほつれないように注意する。

 

【図案の描き方】
基本は、布の表側に、ペン型チャコ(消えるタイプ)で線を引きます。
※指定があるところは除く。

 

【用意するもの】共通
クロスステッチ針、まち針、ペン型チャコ(消えるタイプ)、糸切りばさみ、ミシン、定規、裁ちばさみ

 

 

この作品は、2013年3月号『はんど&はあと』P68の記事を編集/加筆したものです。転載、記事のコピーはご遠慮ください。
作品制作:せばたやすこ http://nelie-rubina.com

 

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

Tag:
ページ上部へ戻る