- 2014-1-6
- はんどカフェBlog, 作り方
「カルトナージュ」とは、組み立てた厚紙に美しい布を貼って作るフランスで生まれたクラフトアートのこと。最近では既製の紙箱に好きな布を貼ってカルトナージュ風のクラフトを楽しむ人も多いですが、まずは厚紙を使った基本の作り方を知っておきましょう。
ここでは、『はんど&はあと』2009年12月号の制作キットを使って紹介します。
【キットに入っているもの】
(a) 本体布(赤&緑のチェック) 約45cm×8cm
(b) ふた布(白) 約15cm×14cm
(c) 幅0.3cmのサテンリボン(ゴールド) 約15cm
(d) キルト芯 約12cm×8cm
(e) 色画用紙(白)
(f)厚さ0.2cmの厚紙
※注意:こちらのKITの厚紙と色画用紙には、わかりやすいようにアルファベットの印がついていました。ここでは基本の作り方をご参照いただくために、KITを前提にした説明をしています。あらかじめご了承ください。
【用意するもの】
定規、カッター、カッティングマット、平筆、木工用ボンド、ボンドを溶く広口の容器(空きびんなど)、コピー用紙など下に敷く紙、ペン型チャコ(時間がたつと消えるタイプ)、裁ちばさみ、へら(手芸用または粘土用など)、はさみ、目打ち、アイロン、アイロン台
【でき上がりサイズ】
12cm×8cm×高さ5cm(ふたを除く本体サイズ)
【下準備】
●本体布とふた布は、アイロンで折りジワを取り、チェックのラインのゆがみを整える。
●ボンドは広口の容器に移し、少量の水を加えて、ヨーグルト状になるまでよく練る。
※水で溶いたボンドを使わないときは、水分が蒸発しないように、ふたをして保管する。
【作り方】
※単位はcm。
箱を組み立てる
1.厚紙の切り込みにあるジョイント部分をカッターでカットし、各パーツ(A〜H)を切り離す。
※H以外、アルファベットの印のある面が、表裏のどちらにきてもよい。
2.切り口にジョイント部分の出っ張りがある場合は、カッターでカットして平らに整える。
Dの短い辺の切り口に、平筆でボンドをつける。反対側も同様に作業する。
4.G2枚をDの外側に立てて、両サイドからはさむように貼り合わせる。
パーツを立たせ、両角が直角になるように、隙間なくしっかり貼り合わさっているか確認する。
5.G・D・Gの切り口にボンドをつけ、F1枚を、ふたをするように合わせて、貼る。
6.反対側にも、もう1枚のFを同様にして貼る。
7.貼り合わせた部分の、すべての内側の角のラインに、ボンドを塗り込む。
箱に本体布を貼る
1.底(D)を向こう側にして置く。どちらかのFの面(この面が正面になる)の左右中央に、左から4つ目の赤のチェックライン(☆)、上下中央に黄色のラインがくるように、本体布を当てる。
2.1を、本体布がずれないようにひっくり返し、Fの周囲に、ぐるりと1周ペン形チャコで線を引く。
3.1のFの面にボンドを塗る。
※ボンドは平筆に少し多めに取り、ムラがないように、全体に手早くのばす。
4.2の線に合わせて、ボンドをつけた面を下にし、Dを向こう側にして3をのせ、押さえる。
5.本体布を貼った面(正面)を上にし、箱の内側から片手で支えて、もう片方の手でていねいに押さえて貼る。
※チェックのラインが歪むので、決してこすらないこと。
6.布の表側を下にして置き、D(底面)を下にしたときに、正面から見て左側の側面(G)が下になるように箱を回転させ、角のラインに沿って、ペン型チャコで布の裏側に線を引く。
7.左側の側面(G)にボンドを塗り、布の表側を下にして置く。黄色のラインがGの上下中央にくるように箱を回転させ、5の要領で本体布を貼る。
8.後ろ面(F)の端から約1cmのところにボンドを塗り、本体布を貼る。
9.正面から見て右側の側面(G)に、7と同じ要領で本体布を貼る。
10.後ろ面(F)は、貼る前に布の長さを調節する。9の右側の側面(G)を下にして置き、後ろ面(F)が下になるように箱を回転させ、箱の角のラインに沿って、ペン型チャコで線を引く。
12.後ろ面(F)に、8で貼った布にもボンドを塗り、Gの面のチェックとラインの柄が合うように、本体布を貼り合わせる。
13.底(D)側の折り代の角を、両面から均等に布をつまむようにしてはさみを約45度の角度に当てて、三角形に切り取る。残りの角3か所も同様に作業する。
14.貼り始めと貼り終わりの布が重なっている部分の、貼り始めの布の角を切り取る。
16.底(D)の短い辺の端から約1cmのところにボンドを塗り、折り代を貼る。反対側も同様に作業する。
17.長い辺の折り代のそれぞれの端を、底に貼ったときに約45度の角度で重なるようにカットする。
18.16と同じ要領で、長い辺の折り代を貼る。底側のすべての折り代を貼り終えたところ。
19.入れ口側の折り代のすべての角を、はさみを斜めに浅く当てて、V字に切り取る。14と同様に貼り始めの布の角を切り取り、15と同様に折り代4辺を、約1cm残してカットする。
20.箱の内側、端から約1cmのところと切り口にボンドを塗り、短い辺、長い辺の順に向かい合う辺どうしの折り代を貼る。
21.それぞれの角は、へらで押さえて 隙すき間をなくし、整える。
内紙と底紙を貼る
1.色画用紙を、実線に沿ってカッターでカットし、各パーツ(a〜i)を切り離す(アルファベットが印字されている面が、裏側になる)。
●点線は折り線なので、カットしないように注意する。
2.箱の底(D)の内側にボンドを塗り、hを裏側を下にして入れ、全体は指で、角はへらで押さえて貼る。
3.f1枚を、表側を上に向け、折り線に沿って谷折りにし、それぞれの角を斜めにカットする。もう1枚も同様に作業する。
4.3の裏側にボンドを塗り、箱の正面と後ろ面の内側に、下端を底面にぴったり合わせて貼る。折り代の角は、へらで押さえてきれいに整える。
5.e1枚の裏側にボンドを塗り、箱の右側側面の内側に下端を底面にぴったり合わせて貼る。
※もう1枚のeは、左ページ「箱を仕上げる」‐2で貼る。
6.cの裏側にボンドを塗り、箱の底面外側の中央に貼る。箱本体のでき上がり。
ふたを作り、箱に固定する
1.キルト芯を厚紙Cと同じサイズにカットする。厚紙Cにボンドを塗り、キルト芯を貼る。
2.ふた布を、15cm×14cmにカットする。厚紙Aにボンドを塗り、ふた布にのせて貼る(ふた布には表裏はない)。厚紙Aと0.5cm離して、1をキルト芯側を下にしてのせる。
※ふた布は布目の方向に注意する(布の織り模様の縦の向きを縦方向にして置く/9写真参照)。
3.2の左右、上下の順に、1辺ずつ、向かい合う辺どうしを組にして折り代を貼る。
※1はのせているだけなので、ずれないように手で押さえながら注意して作業する。
①厚紙の端から約1.5cmのところにボンドを塗る(外側の四隅約1.5cm四方/斜線部分には塗らない)。
※左右の辺は、AとCの間の布にもボンドを塗る。
②厚紙Cを手で押さえながら、ふた布の折り代を貼り、指でしっかり押さえる。溝の部分は、へらで押さえて整える。
4.四隅の折り代を、はさみを厚紙に添わせるようにして(厚紙の厚み分のみ布が残るように、角にしっかり刃を当てる)、斜めに切り取る。
5.左右の辺(○)の折り代の端を、ボンドで貼る。上下の辺の折り代の端を、貼ったときに約45度に重なるようにカットし直す(「箱に本体布を貼る」‐17参照)。切り口部分の角の布にボンドをつけて折り込んでから、上下の辺の折残りの角も、同様に作業する。
6.5の裏側に色画用紙aと15cmにカットしたサテンリボンを当てて、サテンリボンをつける位置を確認する。5の左側、厚紙C部分のふた布の端の上下中央に、サテンリボンを置く。
7.6のリボンの位置を変えずに色画用紙aをはずし、サテンリボンをボンドで貼る。
8.色画用紙aの裏側にボンドを塗り、7に、6で決めた位置に当てて、厚紙Cの面→溝→厚紙Aの面の順に、貼り合わせる。溝の部分は、溝の形に沿ってへらでていねいに押さえる。
9.8の厚紙A部分の裏側面にボンドを塗り、箱本体の後ろ面に、厚紙Aの上端(△)と箱の入れ口の端を合わせて、貼り合わせる。
箱を仕上げる
1.箱の左側側面の、内側の中央に、右記「ふたを作り、箱に固定する」‐7でつけたリボンの反対側の端を、サテンリボンがよれたり、たるまないように注意して、ボンドで貼る。
2.残りの色画用紙eの裏側にボンドを塗り、「内紙と底紙を貼る」‐5で残した箱の左側の、側面の内側に、下端を底面にぴったり合わせて貼る。
この作品は、2009年12月号『はんど&はあと』P17-21の記事を編集/加筆したものです。
転載、記事のコピーはご遠慮ください。
作品制作 広岡ちはるhttp://www.baguette.jp