- 2015-1-31
- はんどカフェBlog
「鬼は外、福は内」と掛け声をかけながら、邪気を追い払う節分の日の豆まき行事。豆をまいたあとは「年の数、または年よりもひとつ多い数」の豆を食べて、1年間の無病息災を願うとされています。この風習、10粒くらいまではおいしく食べられますが、年を重ねるほどにちょっぴりつらくなってしまう習慣だったりして。「年の数はちょっとつらいかも」という人は、食べるべき数の豆に熱いお湯を注いで「福茶」にして飲むことでも、同じご利益があるのだそうです。豆のほかにも、梅や昆布など縁起のいいものを入れてお茶にします。ちなみに豆まきに使う大豆は、必ず炒ったものを使うというのがお約束。これは、せっかく邪気を払うためにまいた豆から、新しい目が出てしまわないようにするためです。今回は「はんど&はあと」流の福茶の淹れ方を紹介しましょう。
「福茶」レシピ
【材料】(2杯分)
・番茶または玄米茶…ティースプーン2杯
・炒り大豆…大さじ2
・熱湯…湯呑み2杯分
・甘栗…2個
【作り方】
1.番茶または玄米茶と炒り大豆を急須に入れ、熱湯を注ぎ、約1分おく。
2.湯呑みに皮をむいた甘栗を1個ずつ入れ、1を等分に注ぐ。
※甘栗は、武士の縁起物であった「勝ち栗」を意識して入れましたが、味に影響はありません。お茶を飲み終わったら、食べてもOKです。
縁起のいいお茶いろいろ
「縁起のいいお茶」でいちばんに思い出すのが「茶柱が立ったお茶」かもしれませんね。これはお茶を注いだときに、茶葉の茎の部分が縦に浮いているお茶のことです。茶こしの網の目を通り抜けることも珍しく、その上「立つ」ことも滅多にないことなので、縁起がいいと言われるようになったのだそうです。
この言い伝えのはじまりは、お茶の商人が茎が多くなる二番茶を売るための宣伝文句という説もあるのだそう。一番茶にくらべて茎が入りやすくなる二番茶。売り上げに悩んだ商人が、二番茶をなんとか売ろうとして、「茶柱が立つと縁起がいい」とうたいはじめたとも伝わります。
また、中国には宮廷で好まれていた「八宝茶」というものがあります。茶葉にクコの実や白キクラゲ、ナツメなどの実などをブレンドした体にいいお茶で、お店によってレシピが異なります。見た目も華やかで、旧正月や結婚式など、おめでたい席で飲むことが多いのだそう。節分に炒り豆を食べきれないというときは、縁起のいい福茶で、1年の無病息災を願いましょう。
この作品は、2010年2月号『はんど&はあと』P7の記事を編集/加筆したものです。転載、記事のコピーはご遠慮ください。
作品制作:本間節子