- 2015-8-6
- はんどカフェBlog
亜麻が原料の、サラッとした手触りが魅力のリネンは、人類が作った最古の繊維だとも言われています。その起源は紀元前5000~6000年頃のエジプトで、その後ヨーロッパ中に広まって、人々の生活に取り入れられたそうです。リネンは繊維自体が空洞になっていて、湿気を吸収せずに発散する性質があります。また空気を含んだ繊維が温度調節の役目もするため、オールシーズンに適した素材といえます。丈夫で肌触りがよく、ナチュラルなイメージの白いリネンは、毎日の暮らしの中の上質なワンポイントになりそうです。
今回は、真っ白いリネンの胸当てつきのエプロンの作り方を紹介します。レースのポケットをアクセントにした、シンプルさが魅力のエプロンです。毎日キッチンに立つのが楽しくなりそうですね。
【材料・道具】
※[ ]内は子ども用。
・リネン地(白)胸当て:25cm×33cm[20cm×28cm]
・前かけ:84cm×60cm[59cm×39cm]
・腰ひも:62cm×5cm[49cm×5cm]を2枚
・肩ひも:105cm×5cm[84cm×5cm]を2枚
・レーステープ(白) A:幅5.5cm×17cmを4本[幅5.5cm×15cmを4本]、B:幅4.5cm×17cmを4本[幅4.5cm×15cmを2本]
ミシン、ミシン糸(白)、ペン型チャコ、まち針、糸切りばさみ、定規、アイロン、アイロン
【作り方】
※単位はcm。[ ]内は、子ども用の寸法。
1.①腰ひも2枚のそれぞれの片端を、1cm裏側に折る。
②上下の端を1cm裏側に折る。
③②を半分に折る。
④③の端を図のように縫う。
※①で裏側に折った側は、返し縫いをする。
⑤①〜④と同様に、肩ひも2本を折る。
2.①胸当ての上端を幅1cmの三つ折りにして縫う。
②肩ひも1本のり山3か所を開き、裏側を上にして、胸当ての裏側に、図のように端を揃えてのせ、縫い合わせる。
※①の三つ折り側のみ、返し縫いをする。
③肩ひもの折り山を戻し、胸当ての表側から図のように縫う。
※1cm裏側に折り返した端側のみ、返し縫いをする。
3.①レーステープA2本とB2本(子ども用は1本)を、図のように0.7cmずつ重ねて縫い合わせ、ポケットを2枚作る。
大人用2枚
子ども用2枚
②ポケットの左右の端を1cm裏側に折り、前かけの図の位置に3辺を縫いつける。
※縫い始めと縫い終わりは、返し縫いをする。
4.①2の胸当てを、3の前かけに中表(布の表側どうしを合わせる)に図のように合わせて縫う。※縫い始めと縫い終わりは、返し縫いをする。
②前かけの上端を、胸当ての縫い代ごと、裏側に幅1cmの三つ折りにして縫う。
5.①前かけの左右の端を幅1cmの三つ折りにし、図のように腰ひもを1本ずつはさんで、下端まで縫う。
※腰ひも側は、返し縫いをする。
②腰ひもを図のように前かけの外側に折り、端を1往復縫う。
③前かけの下端を、幅1cmの三つ折りにして縫う。
※縫い始めと縫い終わりは、返し縫いをする。
エプロンを作る前にリネンの地直しを
天然繊維のリネンは、水にぬれると縮むことがあるため、作業をする前に必ず地直しをしましょう。裁断する前のリネンを、たっぷりの水に半日ほど浸し、あまり絞らずに日陰で干します。半乾きの状態で、縦と横の布目が垂直になるように、軽く引っ張りながら高温でアイロンをかければ、地直しが完了。アイロンをかける前に乾いてしまったら、霧吹きで湿らせてからアイロンをかけましょう。色の異なるリネンの場合は、色移りを防ぐために、別々に水に浸します。
リネン製品の洗濯の仕方
リネンは丈夫で洗濯にとても強く、コットンにくらべて汚れも落ちやすい素材。洗濯するときは、蛍光剤が含まれていない、中性洗剤や純石けんを使います。ただし、長く使っていると黄ばんでくるので、数回に1回は蛍光剤や漂白剤が含まれている洗剤で洗うのがおすすめです。白いリネンにシミがついてしまって落ちないときは、シミの部分に漂白剤をつけてから洗濯を。普段使いのものであれば、洗濯機でじゃぶじゃぶ洗ってしまってOKです。
この作品は、2012年7月号『はんど&はあと』P28、30、32の記事を編集/加筆したものです。転載、記事のコピーはご遠慮ください。
作品制作:小幡小織