- 2014-11-17
- はんどカフェBlog
日が暮れるのが早くなり、おうちにいる時間が長くなってきたら、糸と針があればできる刺しゅうに取り組んでみませんか?小さなお子さんがいる家庭なら、幼稚園スモックや靴袋などに簡単なステッチをいれるとかわいいですよね。また、ハンカチにイニシャルや季節のモチーフを刺しゅうするだけでも、ワンポイントになって素敵です。最近では家庭用ミシンにも刺しゅう機能がついていたりして、簡単にできるようになりましたが、自宅でひと針ずつ刺したものはやっぱり特別。ぜひ、世界にひとつだけの刺しゅう作品を作ってみてください。今回は、刺しゅう初心者が知っておきたい、道具と基本を紹介します。
刺しゅうで基本&あると便利なもの
基本は、刺しゅう糸と針だけ。あると作業がしやすいアイテムも併せて紹介します。
刺しゅう枠
布をピンと張って刺すための道具。二重になった枠の間に、布をはさんで使用します。
様々なサイズがあるので、図案のサイズに合わせて選びましょう。
25番刺しゅう糸
細い糸6本が、ゆるく合わされた束状の糸です。模様やデザインによって、何本取りかに分けて使用。写真左のように、グラデーションになったものもあります。
5番刺しゅう糸
25番刺しゅう糸よりも、1本が太く光沢があり、束状ではなく1本取りに撚られています。ステッチに、ボリュームを出したいときに使います。
リネン刺しゅう糸
綿100%の25番刺しゅう糸に対して、麻100%の細い糸6本が束状になった刺しゅう糸。25番刺しゅう糸より、糸に張りがあり、麻独特の風合いがあります。
フランス刺しゅう針
刺しゅう針は、糸を何本か一緒にして針穴に通すため、縫い針よりも針穴が大きくできています。一般的な刺しゅうには、針先が鋭くとがったフランス刺しゅう針を使用します。
クロスステッチ針
クロスステッチ用の布に刺すときに使う専用の針。布の織り糸や刺しゅう糸を、割ってしまうことがないように、針先が丸くなっています。
糸切りばさみ
細かい作業がしやすいように、コンパクトで、よく切れて、先の細いものがベスト。布や刺しゅうした糸を切らないように、注意して使いましょう。
抜きキャンバス
クロスステッチ専用の織りの粗い当て布細かい織り目の布に、クロスステッチをするときに使用。布にしつけ糸でとめ、上から布と一緒にステッチし、終わったら織り糸を1本ずつ抜いて取り除きます。
刺しゅうの基本
刺しゅうを始める前に、必ず覚えておきたい基礎をまとめました。きちんとマスターしましょう。
25番刺しゅう糸の扱い方
1.糸の束の端が、少し出ているところを探します。糸端を持って、使いやすい長さ(60~ 80cm)を引き出し、カットします。
2.6本の束の中から必要な本数(3本取りなら3本)を、1本ずつ引き抜きます。
3.引き抜いた糸を、たるみのないように揃えます。
25 番刺しゅう糸の針への通し方
1.引き揃えた糸の片端を右手で持ち、針に刺しゅう糸をかけて、ふたつに折ります。
2.右手の親指と人さし指で、折り目を押さえて折り山をつぶし、下から針を引き抜きます。
3.糸の折り山のところを、針穴に当て、押し入れるように糸を通します。
刺し始めと刺し終わり
1.刺し始めは、玉結びをせずに、糸端を布の裏側に5~6cm残して刺します。
2.刺し終わったら、針に糸をつけたままにし、表側に出ないように、裏側のステッチの目の中に糸端を2~3cm 通します。つれない程度に糸を引いてから、糸を切ります。刺し始めの糸も、同様にして始末します。
世界の刺しゅう
刺しゅうは世界各地で古くからおこなわれてきた手芸で、文化に根づいたデザインやステッチが発達しました。中国では 3000年以上もの歴史があるといわれ、民族ごとの伝統刺しゅうがあるそうです。またヨーロッパではおもに貴族の女性の教養として広まりました。
日本では、防寒に加えて布を補強するためにはじまった刺しゅうが、刺し子と呼ばれる伝統工芸になっています。刺し子は機能的な上に、繰り返される文様も美しいですよね。秋の夜長にリビングのソファで、寒い冬の1日にコタツにはいって、刺しゅうを楽しんでみてはいかがでしょうか。
この作品は、2007年11月号『はんど&はあと』P30の記事を編集/加筆したものです。転載、記事のコピーはご遠慮ください。
作品制作:青木恵理子(メインカットの作品)